月: 2017年10月

  • さくら VPS の Aipo 8.1.1 を SSL 化する

    前回の記事でさくらの VPS 上に Aipo を構築した。

    続いて HTTPS 化する作業に入る。参考とした記事は次の通り。

    さくらの共有 SSL は VPS では使えないようなので、メインサイトのサブドメインを使うことにした。

    さくらの VPS コントロールパネルから「ネームサーバ登録」を開く。

    controlpanel

    「ドメイン編集」->「ゾーン編集」->「変更」と入って、「エントリの追加と変更」から「エントリ名」に “aipo.example.com”, 「種別」に「IPアドレス(A)」、「値」に VPS の IP アドレス、「DNS チェック」と「TTL の指定」はデフォルトの「する」「チェックなし」として新規登録。

    ここで念のため、http://aipo.example.com/ を Web ブラウザで開いてみるか、nslookup で VPS の IP アドレスが引けているかを確認しておく。

    Let’s encrypt で証明書を取得する

    今回は Let’s encrypt で証明書を取得することにする。

    まずインストールを行って、証明書を取得する。

    # yum install certbot
    ...(略)...
    Is this OK? [y/d/N]: y
    ...(略)...
    # certbot certonly --standalone

    PEM を Tomcat で使えるキーストア形式に変換する

    Aipo を動かしているのは Tomcat なので、それに合わせて取得した証明書を変換する。

    # cd /etc/letsencrypt/live/aipo.example.com/
    # openssl pkcs12 -export -in fullchain.pem -inkey privkey.pem -out ssl.p12
    Enter Export Password: *****
    Verifying - Enter Export Password: *****
    # /usr/local/aipo/jre/bin/keytool -importkeystore -destkeystore tomcat.keystore -srckeystore ssl.p12 -srcstoretype PKCS12
    Enter destination keystore password: #####
    Re-enter new password: #####
    Enter source keystore password: *****
    Entry for alias 1 successfully imported.
    Import command completed: 1 entries successfully imported, 0 entries failed orcancelled

    Aipo の Tomcat にキーストアファイルを設定する

    /usr/local/aipo/tomcat/conf/server.xml を vi 等で編集する。

     <!--
     <Connector port="8443" protocol="org.apache.coyote.http11.Http11NioProtocol""
     maxThreads="1000" SSLEnabled="true" scheme="https" secure="true"
     clientAuth="false" sslProtocol="TLS" />
     -->

    コメントアウトされているこの部分を次のように書き換える。

     <Connector port="443" protocol="org.apache.coyote.http11.Http11NioProtocol"
     maxThreads="1000" SSLEnabled="true" scheme="https" secure="true"
     clientAuth="false" sslProtocol="TLS" keystoreFile="/etc/letsencry
    pt/live/aipo.example.com/tomcat.keystore" keystorePass="#####" />

    これで Aipo を一度 shutdown して startup すれば無事に作業完了。

    # /usr/local/aipo/bin/shutdown.sh
    Stopping Aipo 8.1.1.0.
    # /usr/local/aipo/bin/startup.sh
    Starting Aipo 8.1.1.0.
    Access URL : http://XXX.XXX.XXX.XXX

    これで https://aipo.example.com/ にアクセスすると無事に Aipo の画面が表示されるはず。

    と思いきや、なぜかアクセスできず。”lsof -i:https” を実行してみるとポートさえ開いていない。

    設定を見直したり環境を代えてみたりと 3 日間ほど苦戦した結果、/usr/local/aipo/tomcat/conf/server.xml のコメントアウトされている記述にある

    <Connector port="8443" protocol="org.apache.coyote.http11.Http11NioProtocol""

    の部分の引用符が 2 重になっているのが原因だった。これでも起動時にエラーも出ず、http でのアクセスは通常通り行えたので気付くのが遅れてしまった。

  • さくらの VPS に Aipo 8.1.1 を導入する

    さくらの VPS に Aipo 8.1.1 を導入する

    以下、さくらの VPS に申し込んだ後からの手順です。

    VPS に OS をインストールする

    さくらの VPS コントロールパネルから「各種設定」->「OSインストール」を開きます。

    os_install
    os_siteguard

    「標準OSインストール」を開き「インストールOS」に「SiteGuard Lite (CentOS7 x86_64)」を選択し、root のパスワードを設定します。「インストールを実行する」を押したらコントロールパネルの表示が「稼働中」になるまで数分待ちます。

    running

    稼働中になったら「シリアルコンソール」を開きます。OSインストール時に設定したパスワードでrootログインしてください。

    console

    Aipo の設置

    まず下準備としてパッケージの更新と必要なパッケージをインストールします。(参考: 「Linuxへのインストール – インストール手順 – オープンソース|Aipo(アイポ)

    ※以下のコマンドはコンソールにコピペすれば OK です。Shift + Insert でコンソールに貼り付けできます。

    # yum update
    ...(略)...
    Is this OK? [y/d/N]: y
    ...(略)...
    # yum install gcc nmap lsof unzip readline-devel zlib-devel
    ...(略)...
    Is this OK? [y/d/N]: y
    ...(略)...
    Is this OK? [y/d/N]: y
    ...(略)...
    Complete!

    次にAipo のダウンロードファイル一覧から最新版 x64用 .tar.gz を取得します。(実はここですんなりファイルを取得できずに SCP 使ったりして苦戦したけど、wget の引数を適切にしたらできた。参考: 「OSDNで公開されているファイルをwgetでダウンロード | ハックノート」)

    # cd /tmp
    # wget --trust-server-names "https://ja.osdn.net/frs/redir.php?m=ymu&f=%2Faipo%2F64847%2Faipo-8.1.1-linux-x64.tar.gz"

    いよいよ展開してインストールします。パスを指定しなければ /usr/local/aipo にインストールされます。インストール先を指定するには “sh installer.sh /usr/local/aipo” のように引数で指定します。

    # tar xvzf aipo-8.1.1-linux-x64.tar.gz
    ...(略)
    # cd aipo-8.1.1-linux-x64/
    # sh installer.sh
    ...(略)...

    ビルドも含めてインストールが行われるので、しばらく待ちます。

    =============================================
    Aipo のインストールが完了しました。
    バージョン     : 8.1.1.0
    インストール先   : /usr/local/aipo
    PostgreSQLユーザー : aipo_postgres
    PostgreSQLパスワード: ************
    
    アクセス先:
    http://153.126.xxx.xxx
    ID/PASSWORD:
    admin/admin
    
    起動方法:
    /usr/local/aipo/bin/startup.sh
    停止方法:
    /usr/local/aipo/bin/shutdown.sh

    ファイアウォールの設定

    初期状態では SSH 以外のすべての通信が拒否設定になっているので、HTTP と HTTPS を許可します。コントロールパネルからコンソールにアクセスできるので、ついでに SSH は閉じておきます。(参考: 「さくらVPSでCentOS7を導入してからやったこと | しびら

    # firewall-cmd --zone=public --permanent --add-service=http
    # firewall-cmd --zone=public --permanent --add-service=https
    # firewall-cmd --zone=public --permanent --remove-service=ssh
    # firewall-cmd --reload

    起動と admin パスワード変更

    # /usr/local/aipo/bin/startup.sh
    Starting Aipo 8.1.1.0.
    Access URL : http://153.126.xxx.xxx

    表示された URL をブラウザで開きます。初回アクセス時に数分待たされる(読み込み中のまま進まない)ので気長に待ちます。

    Aipo8

    ログイン画面が表示されたらユーザー名: admin, パスワード: admin でログインします。

    「基本情報」->「設定」->「管理者パスワードを変更する」を開き、管理者パスワードを変更しておきます。